細谷功【具体と抽象】要約レビュー

ビジネス書
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  • 社員に話が伝わりづらい。
  • SNSにつくコメントに右往左往してしまう。
  • たとえ話が上手くなりたい。

上記の3つの悩み、一見すると統一性がない悩みに見えますが、「具体と抽象」という観点で見てみると共通点が見えてきます。

だいたい僕たちが判断をミスするときって、抽象的に考えるべき問題を具体的に考えたり、具体的に考えるべき問題を抽象的に考えたりしてしまい、噛み合わなくなって終わります。

ただこの具体と抽象を理解し、使いこなしている人は少ないんですよね。

今回紹介するのは、細谷功著【具体と抽象】です。

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【具体と抽象】では、具体と抽象それぞれの解説と、どうやって使うのかをわかりやすく解説してくれています。

この記事では【具体と抽象】を要約し、気になったところを解説していきます。

本を読んで得た知識を僕なりにかみ砕いたり、すでに持っている知識と混ぜたりしているので、必ずしも本書と同じ内容ではない場合もあります。

「具体→抽象→具体」で考える

【具体と抽象】では、たとえ話について以下のような解説がしてありました。

たとえ話のうまい人とは「具体→抽象→具体という往復運動による翻訳」に長けている人のことをいいます

このフレームワーク、どこかで見たことがあるなと思ったら、【メモの魔力】で紹介されている「事実→抽象化→転用」のフレームワークでした。どちらも「具体と抽象を往復させている」ことには変わりなく、やっぱり重要なんだなと感じました。

実際に、僕も物事を考えるときは「具体的な出来事」から考えることが多いなと気づきました。今まで無意識でやっていたので、もうちょっと意識的に行えるようになると仕事の質も上がりそうな気がします。

例えば、文章を書くときに伝えたいことってだいたい「抽象レベルが高いこと」なんですが、それを抽象的な表現のまま伝えても伝わりづらいです。伝えたい内容の具体例を考え、まずそれを提示することで読む人にも伝わりやすいのでしょうね。

記事を書くときにもしばらくこのフレームワークを意識して使ったみようと思います。

具体的な意見に右往左往しない

例えば自分がYouTuberとして動画をアップしていたとして、コメント欄に自分の動画に対する意見が書かれている場合がありますよね。

  • 字幕をつけて欲しい
  • くだらない企画だな〜
  • 言葉遣い悪くない?

メンタルが弱い人は否定的なフィードバックがあるとやる気をなくすか、すべての意見を聞き入れようとして、チャンネルの個性が失われたりしますが、これは「具体的な意見を受け入れすぎ」だからです。

視聴者は好き勝手言いますから、それに従っていると本当に自分がやりたいことや伝えたいことがぶれてきます。こういうときこそ、抽象度が高い「信念」だったり「方向性」みたいなもを優先させる必要があります

例えば自分のチャンネルの信念が「見てくれた人の人生を変える発信をする」だとします。これは抽象度が高いものですよね。これを前提にして、意見を受け入れるかどうかをきめるべきです。

先ほどのコメント意見だと「字幕をつけて欲しい」ならおそらく信念に合致します。くだらない企画と言われて、本当にくだらないエンタメ寄りの企画をしているのであればやめるべきだし、チャンネルの信念に合致している動画を「くだらない」と言われているのであれば無視でOKです。

ユーザーはだいたい具体的な視野が狭いアドバイスをしがち」ということを頭に入れて置いて、何かあるたぶに立ち止まって考えてみると良さそうです。

具体的な指示が欲しい人か、抽象的な指示が欲しい人かを見極める

スタッフに作業して欲しいとき、多くの場合は具体的な指示を出したほうが上手くいくでしょう。とくにマクドナルドみたいな大型チェーンのお店だったら、具体的なマニュアルは必須。少しでも違ったら指導するくらいのことをしないと回りません。

ただもう少し上流の仕事、例えば部長や係長と言った、ちょっと裁量権がある人に細かい指示を与えすぎても微妙です。そういう人たちには「達成目標」だけ伝え、やり方は会社の方針を外れない限り、自分たちのやり方に任せたほうがいいでしょう。

これ、本当に人によって好みがわかれます。「細かく言ってもらわないとわからない」という人もいれば「そんなに細かく言われなくても自分でできる」という人もいます。これがちぐはぐになるとその会社は終わるでしょうね。

できればあらかじめ聞くか、聞いてもはっきりしない場合は上司が見極めるしかないでしょう。ただどちらか一方に偏った指示をしてしまうのは良くないと考えましょう。

抽象レベルで真似をする

今はどうかわかりませんが、ちょっと前まで中国が日本のキャラクターをパクっていると話題になったことがあります。

誰が見ても「パクリ」と思えるくらいのクオリティなのですが、実際に世の中はパクリや真似をして経済が回っていることも確かです。

では許される真似と許されない真似(パクリ)は何が違うのでしょうか。実はこれも抽象度の違いなのです。

例えば「黄色い雷攻撃をするキャラクター」をパクるとき、形や大きさ、色、必殺技などをそのままマネしたらパクリになります。ではここで抽象度を上げてみましょう。

  • 雷を使うキャラクターはダメだから、火とか水にしてみようか。それか逆に自然の力じゃなくて科学の力で戦うとか。
  • 熊みたいなサイズにしてみようか。
  • 黄色の逆で青とかにしてみようか。

とかね。

ゼロからアイデアを出すってのはそうとう難しいので、いったん抽象度を上げて考えてみるとアイデアは出やすいでしょう。まあそれでも良いアイデアが出るかどうか、周りからみて真似に見えないかどうかは試行錯誤しないといけませんが。

まとめ

具体と抽象】では、具体と抽象それぞれの解説と、どうやって使うのかをわかりやすく解説してくれています。

この本の内容を知っているだけで、今まで解決が困難に思えていたようなことも意外と簡単に解決するようになるかもしれません。

具体的に考えるべきなのか、抽象的に考えたほうがいいのかは、国の文化が違うくらいのレベルで違うと思っているので、そこを理解しましょう。

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