篠原信【子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法】要約レビュー

教育
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  • 我が子の成績が悪い
  • やる気も感じられないし,好奇心も低い
  • 自分も親として,どう育てていいのかわからない

「自分の子育ては100点だ」と言い切れる人はいないでしょう。

自分が親になって気づきますが,子どもを育てることに関する勉強をきちんとしている人は少ないです。

みんながそれぞれ,自分がいいと思っている方法,もしくは今まで自分が受けてきた教育をそのまま自分の子に適用しています

その多くの方法が「大人が子どもに手取り足取り教える」ということが前提になっている気がします。

大人としてはこんなに手間暇かけたのに,どうして我が子は成績も振るわないし,やる気もないのだろうかと不思議に思うことでしょう。

従来の子育てというのは正しいのでしょうか?

また正しくないのであれば,何が正しい教育なのでしょうか。

そんな疑問に答えてくれるのが,篠原信著【子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法】です。

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【子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法】によれば,大人が子どもに教えるという考えを捨て,子どもたちが自主的に学び始めるように仕向ける方法を大人が学ぶ必要があるとのことです。

本の中に書いてある内容は主に,著者の篠原さんがたくさんの子どもと関わってきた経験を元に書かれています。

その多くはいわゆる常識的な子育てや教育とは正反対の内容です。

僕は人に教える仕事をしていますが,本の中に書いてある内容を少しずつでも実践していくと,生徒は確実に変わっていきますし,何よりも教える僕自身がかなり楽になっています。

この記事では【子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法】の内容を要約し,気になったところを解説していきます。

無理やり伸ばそうとするのか,支える柱になるのか

【子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法】には子育てのあり方は大きく分けて2つあると書いてあります。

  • 助長:植物を無理やり伸ばそうとして引っ張ってしまう
  • 支柱:大人は支えになってやり,子どもが自力で巻き付いていく

今,多くの大人たちがやっている子育ては「助長」です。

とにかく大人たちは丁寧に子どもたちに大事なことを伝え,時には褒め,時には叱ります。

ようするに手間暇をかけて手厚く育てるのが「美徳」とされています。

この助長がいき過ぎると,親がすべて先回りをしてしまい,子どもたちが考え,失敗し,体験するチャンスを奪っているケースも少なくありません。

当然そのように育てられた子どもたちは自分で考えることができなくなってしまい,大人が何か指示してくれるまで何もできない人間になってしまいます。

そんな子育てをしておきながら多くの大人たちは「成績が良くならない」「やる気がない」と嘆いているのです。

助長と支柱という概念が難しいというのであれば「北風と太陽」でもいいと思います。

コートを脱がせようとして強風で攻めまくるか,暖かくして自分から脱ぐように仕向けるか,です

まずは自分の子育てが北風の要素が強いことを認め,少しずつ太陽の要素を取り入れていくことがスタートです。

赤ちゃんへの接し方がベスト

子育てについて,もうすこし具体的なイメージが欲しい場合は「赤ちゃんへの接し方」を思い出してみてください。

我が子が赤ちゃんのとき,食べ物をこぼしても叱らなかったでしょう。

歩こうとして転んだとしてもいちいち歩き方を教えなかったでしょう。

感情が高ぶって泣き出しても,いちいち諭したりはしなかったでしょう。

大きくなった子どもをずっと赤ちゃん扱いしろというわけではありません。

ベースはそれくらいの気持ちでもいいということです。

これは余談で僕の経験則ですが,人間は常に背伸びをしたい生き物で,自分自身も回りも早熟を求めていますが,人間なんて30代になってからやっと大人になるくらいだと思っています。

学んだ知識が経験とリンクし,本物の実力になって返ってくるのが30代くらいなのかなと感じます。

それもきちんと勉強している人だけで,なんとなく生きている人なんていくつになっても大人になれてないですよね。

最初から大人なんて存在しない,伝えるときは子どもに伝えるくらいでちょうどいいと思っておいたほうが期待がなくなり楽です。

意欲をもって取り組んでいるときが最速で成長している

【子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法】の中には次のような文章がありました。

意欲を持って取り組むなら,その子の習得速度は最速になります。

僕は大学を卒業してから,ウェブサイトを作れるようになりました。

当時はHTMLだけだったのですが,独学で覚えました。

しかし,大学1年のときにはHTMLの講義を受けていました。

そのころはまったく興味がなく,そのときに学んだことは身についていませんでした。

ところが大学を卒業してからなぜか強烈に興味が出てきて,独学で覚えたのですが,大学で体系的に学んだはずの知識は身にならず,意欲を持って取り組んだ独学のほうが身になったことを今でも覚えています。

こういう経験をしているからわかるのですが,学校の勉強を意欲的に取り組んでいる子どもなんてほとんどいません。

なので,多くの子どもたちが学校の勉強ができなくてもまったく不思議ではないんですよね。

むしろ当たり前なのかなとさえ思います。

だからこそ大人は,子どもが意欲的に取り組んでいることを見逃さないようにしないといけません。

義務的にやらなければいけないことを避けることはできません。

だったら意欲的に取り組めることの割合を少しずつ増やしてあげるというのが現実的かなと個人的には思っています。

子どもの学習機会を奪っていないか

「カーリング・ペアレント」とか「ヘリコプター・ペアレント」という言葉があります。

簡単に言うと「過保護な親」のことで,子どもを常に監視していて,子どもの障害になるようなものをあらかじめ取り除いてしまう親のことです。

これがなぜ悪いのかというと「子どもの学習機会を奪っている」からなんです

子どもに限らず,人間は失敗から学んでいきます。

しかし過保護な親は,子どもが失敗することを阻止します。

おそらく良かれと思っての行動だと思うのですが,これは歪んだ愛なんですよね。

自分の行動が過保護になっているかどうかを確認するには「自分の行動は子どもの学習機会を奪っていないか」ということをチェックしてみればいいと思います。

まとめ

子育てをするときに1つだけ覚えておくべきなのは「『北風と太陽』の太陽になろう」だと思います。

北風のように子どもたちに風を吹きつけても,それは本当に子どものためにはなりません。

歴代の大人たちが深く考えずにやってきた子育てをいったん疑ってみましょう。

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