ターリ・シャーロット【事実はなぜ人の意見を変えられないのか】要約レビュー

心理学
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  • 自分が言ってることは正しいはずなのに、相手が意見を変えてくれない。
  • なぜ明らかに間違っていることなのに、信じてしまうのか。

自分で言うのもなんですが、僕は勉強家で、本をよみ、Dラボで学び、学びをアウトプットして自分の人生に活かしています。それらの情報のほとんどはエビデンスがあるもので、なんとなく生きるよりも高い確率で良い人生に導いてくれる情報がほとんどです。

ただ不満なのは、自分の周りはそうではないということです。古い知識だったり常識のようなものを振りかざして生活している人に「それは違うよ」と教えても、聞いてくれないのです。

なぜ正しい知識を、理屈で伝えているのに他人は意見を変えてくれないのでしょうか。

今回紹介するのは、ターリ・シャーロット著【事実はなぜ人の意見を変えられないのか】です。

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事実はなぜ人の意見を変えられないのか】によると、「事実や正しいデータをただ押し付けるだけでは人は変わらない」ということです。ではどうすれば相手を正しい方向に導いてあげることができるのでしょうか?

この記事では【事実はなぜ人の意見を変えられないのか】を要約し、気になったところを解説していきます。

本を読んで得た知識を僕なりにかみ砕いたり、すでに持っている知識と混ぜたりしているので、必ずしも本書と同じ内容ではない場合もあります。

相手の考えを変えることは諦める

僕自身はデータとか、科学的根拠がある情報とかが大好きで、ずっと勉強しているのですが、周りはそうではありません。そういう人と会話していて、間違っていたりしたことを指摘して自分が持っている知識を話したりするのですが、だいたいこういうのって上手くいったことがありません。

僕はなんで正しいことを言っても周りは変化しないのかが不思議だったのですが、【事実はなぜ人の意見を変えられないのか】を読むと自分が間違っていたことに気付きました。

どうやら人間は「自分を否定されるのが嫌い」みたいで、他人から与えられた情報によってすでに自分が持っている考えを変えることはほとんどないみたいなんです。

私たちは、自分の意見を裏づけるデータばかりを求めてしまう傾向があり、新しいデータが提供されても自分の意見を裏づける証拠だけを受け入れ、自分の意見を否定するような情報が提供されると、新しい反論を思いつき、頑なになるみたいなんですね。

だから相手の考えをそのままごっそり変えることは諦めたほうがいいってことなんですけど、それでも他人に影響を与えて行動を変えなければいけないときもありますよね。そういうときはどうすればいいのかというと、別の角度から新しい考えを上書きするといいらしいんです。

例えばワクチン接種は肯定派と否定派がはっきりしています。

否定派の意見の多くは「ワクチンの副作用」に焦点を当てて話をします。そういう人たちに「副作用なんてないよ」みたいな意見を言ってもムダです。

そうじゃなくて、ワクチンのポジティブな効果を訴求するべきなのです。例えば、ワクチンを使ったことによって死に至る病気を防ぐことができるという事実を強調した情報を提供し、上書きしてあげるのです。

もちろんこれでも100%自分の意見が通るようになるわけではないですが、相手を否定することはやめ、まずは相手の気持ちを考慮しなければ意見を変えることはできないということです。

叱るよりも肯定的なフィードバックをする

例えば自分の子供や生徒に勉強をして欲しいとき、皆さんならどういう声掛けをして行動を促しますか?

僕なんかは「勉強しなかったら自分の夢は叶わないよ」みたいな感じで言ってしまいそうですが、これは相手の行動を促すという面ではダメみたいなんです。

人間は生物学的に、良いことを期待すると行動を起こしやすく作られているようで、逆に何か悪いことを予測してしまうと、直感的に行動が鈍るんですって。「夢は叶わないよ」というふうに伝えると、「夢が叶わない」という言葉にフォーカスされるので、行動を促す効果がないみたいです。

相手の行動を促したい場合、「行動要請×脅威」ではなく「行動要請×ポジティブな結果」を意識するべきで、「勉強しなさい。じゃないと夢は叶わないよ」ではなく、「勉強しなさい。そうすれば夢は叶うよ」と伝えるべきってことです。

コントロール感を重視する

学生時代を振り返ると、小学校から高校までの12年間と大学の4年間を比べたら、圧倒的に大学の4年間が楽しかったです。

これにはいろいろ要因があると思いますが、一番大きいのは「自由だった」ということでしょう。もちろん大学を卒業するために単位を取得しなければならず、必要な勉強はしなくてはいけなかったのですが、高校までの学生生活ってやはり義務感というか、先生や親の言うことを聞かなければいけないという雰囲気がありました。

これは日常生活でも同じで、人は押しつけられるよりも自分でコントロールしたいという欲求を持っています。ただ与えられたものよりも、自分で獲得したものに対して内なる報酬を感じるのです。

例えば、税金の支払いも、その税金が何に使って欲しいのかを提案できるだけでも、支払いの遵守率があがるのだとか。ただ義務だから払いなさいというのではよくないということです。

これを相手の行動を促すという方向に使うとすれば、相手の主体性を理解してあげることがまず最初の一歩でしょう。そのときに責任を与え、選択肢が自分にあることを思い出させるだけでもその人の幸福度は上がります。そしてその人が自分でコントロールしてるんだよということを時々思い出させてあげることも重要です。

もちろん完全に相手の主体性に任せると、怠惰に向かう可能性もあるので、そのへんは調整が必要でしょうね。

まとめ

事実はなぜ人の意見を変えられないのか】によると、「事実や正しいデータをただ押し付けるだけでは人は変わらない」ということです。

考えてみたら自分も相手から押しつけられた意見には反発してたなと思います。そして、信じているのはいつも「自分で見つけ出したこと」だったような気がします。

これを知っているだけでも、変わって欲しい相手を少しでも良い方向に導いてあげることができるかもしれませんね。

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