夏目にーに【天才じゃない私たちが輝くために】要約レビュー

こどもにおすすめの本
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  • 将来やりたいことが見つからない。
  • 好きなことをやっているけど、つらいこともたくさんある。
  • 自分の夢は叶うのか心配。

高校生という時期は、大人へグッと近づくことができる時期ですが、同時にまだまだ子どもらしいところも多い、微妙で揺れ動いている時期です。

だからこそたくさんのことに悩むし、それでもいい解決策が見つからず、プライドが邪魔して誰かに頼りづらい時期だと思います。

僕も人を教える立場にいて経験的に感じるのは、高校時代での行動でものすごく伸びたり、逆に停滞したりし、差がつきやすいという事実。

今回紹介するのは、夏目にーに著【天才じゃない私たちが輝くために】です。

【天才じゃない私たちが輝くために】は、高校の美術教師である著者が、若者にありがちな悩みを綺麗事なく激励してくれる本です。

正直、僕の経験上、学校の先生の話って綺麗事が多く、教師側に都合がいい話をしていることが多いです。

しかし【天才じゃない私たちが輝くために】の中に出てくる言葉は、真剣に生徒を成長させようと日々苦労している夏目さんだからこそ出てくる言葉で、とても共感を覚えました。

この記事では【天才じゃない私たちが輝くために】を要約し、気になったところを解説していきます。

本を読んで得た知識を僕なりにかみ砕いたり、すでに持っている知識と混ぜたりしているので、必ずしも本書と同じ内容ではない場合もあります。

その労力は成果に直結しているのか考える

【天才じゃない私たちが輝くために】の中に、徹夜をして絵を完成させた生徒の話がありました。

徹夜した本人は達成感もあり、満足そうですが、その労力を費やしたおかげでいい絵が描けたかどうかはあやしいところです。

ご存知の通り、徹夜なんかしてしまうと脳の機能がガタ落ちしますから、それならもっと前から計画的に行動し、しっかりと睡眠をとって描いていたほうがよかった可能性のほうが高いわけです。

このように人間は「労力をかければすごい」と誤解してしまいます。

そしてその労力をかけたおかげで、よい成果につながったかどうかをほぼ検討しません。

簡単に言うと「やった気になっているだけ」のことが多いのです。

成果を出したあとは、自分がやってきた過程を振り返る必要があるなと感じました。

自分が本当にやりたいことは18年では見つからない

高校生の時期って自分の人生のキャリアの中ではかなり重要な分岐点であることは確か。

たくさんの若者が悩むことでしょう。

18歳である今、自分のやりたいことで食べていけるのか、そもそも自分のやりたい職業に就くことができるのかと真剣に悩むでしょう。

ですが、ここではっきり言えるのは、たった18年生きたくらいでは自分の本当にやりたいことなんて見つかりません

僕も高校生の時点では、学校の教師になるつもりで教育学部に進学しましたが、大学在学中にやりたいことは変わり、今では違う仕事をしているわけです。

18歳の時点で進路を決めても、おそらくほぼ気が変わります。

仕事を辞めることもあるでしょうし、転職だってするでしょう。

それを「ブレるなんてダサい」と思わないことです。

短期で上達するには即時フィードバックをもらう

短期間で一気に絵が上達する方法は「描いた絵を上手い人に直してもらう」ことだそうです。

いわゆる「即時フィードバック」というやつですね。

絵の場合だと、描いた絵を消された上から指導者が手本を描いていくそうです。

自分が描いた絵と上手い人の絵を比較することができるので強力なフィードバックになります。

ただこのやり方は劇薬と表現されており、せっかく自分が描いた絵を消されるなんてプライドが傷つく人もいるわけです。

だからこのやり方を受け入れることができない人もいるのでしょうが、受け入れて指導者の意見やフィードバックを取り入れることができる人は、他の人よりも上達するのでしょう。

みんなから好かれようとしなくてもいい

将来、絵を描くような仕事、クリエイティブなことを仕事にしたいと思っているのであれば、みんなから好かれようとしないほうがいいでしょう。

みんなから好かれるということは、100人いたらだいたい30人くらいにフワッとした好印象を得ることだと表現されています。

たしかに一般的な仕事をするのであれば、こちらのほうがいいでしょう。

そのほうが上手くいくシーンが多いからです。

しかし、クリエイティブな仕事の場合、それではいけないと書かれています。

30人にフワッと好かれるよりも、3人に強烈に好かれる道を選ぶべきで、その3人を1人ずつ増やしていくという感覚です。

これ、例えばテレビのタレントさんなんかもそうでしょうし、YouTuberとかもそうなのではないでしょうか。

普通の人よりも少し尖り、まず周りの3人に強烈に好かれ、エリアを拡大していくというイメージ。

もちろん時間がかかるかもしれませんが、そちらのほうが長期的に考えると絶対によさそうです。

まとめ

天才じゃない私たちが輝くために】は、高校の美術教師である著者が、若者にありがちな悩みを綺麗事なく激励してくれる本です。

僕も若者の指導をしていて日々感じていることを上手く言語化してくれているから、その指導者側の気持ちがわかれば自分の成長を加速させることができるのではないでしょうか。

えぐいぐらい伸びる人とそうでない人の違いなんかは「そうだよなー」と10万回くらいうなずきました。

Kindle版は限定の描き下ろしもあったのでお得です。

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