僕は現在42歳で、まだまだ若いつもりなのですが、若いときにはできていたことができなくなったということをちょっとずつ自覚し始めました。
毎日本を読んでいるし、運動もしています。むしろ若いときよりも努力の量は多いはずなのに、確実に衰えていっている何かがあるのを感じています。
やはりどんなに頑張っても「老い」には抗えないものなのでしょうか?
今回紹介するのは、アーサー・C・ブルックス著【人生後半の戦略書】です。

【人生後半の戦略書】によれば、「歳を取るにつれ衰える能力がある一方で、高まっていく能力があるので、それを使って人生を設計すべき」ということです。
歳を取ると高まる能力があるなんて、なんだかワクワクする話ですね。
この記事では【人生後半の戦略書】を要約し、気になるところを解説していきます。
能力の違いを自覚する
【人生後半の戦略書】に書いてある趣旨は
- 若いときと歳を取ったあとでは、能力が変わるので違う戦略で生きていかなければならない
ということでしょう。冷静に考えれば当たり前の話なのですが、若いときに頑張って成功をおさめた人は、若いときの戦略で人生の後半も生きようとしてしまい、病んでいく傾向が多いのだとか。
歳を取れば能力が衰えるというよりも能力の種類が変わるだけなので、それを知らないまま歳を取ってしまうとそういうふうになってしまうんでしょうね。
若いときには「流動性知能」が高く、歳を取るにつれ流動性知能は衰えていくのですが、逆に「結晶性知能」が高まっていきます。
流動性知能というのは、僕たちがイメージしやすい頭の良さのことです。推論力、柔軟な思考力、真新しい問題の解決力、生得的な頭の良さ、読解力や数学力、など、学校のテストで良い点をとるみたいな能力がこれにあたります。
結晶性知能というのは、過去に学んだことを活かす能力のことで、これは歳を取れば取るほど高まっていくのだとか。
僕は今42歳ですが、「名前が出てこない」とか、言われたことに対して良い返しができない、みたいなことが増えていますが、これは結晶性知能の衰えで起こっていることです。
だから今の戦略としては、必死に知識を集めるというよりは、じっくり考えるということに時間を割くようにしています。今まで積み上げてきた知識と経験の棚卸しをしているイメージですね。
ちょっと前までは「若いもんにはまだまだ負けん」みたいなことも感じてましたが、今は「生きているステージが違うのだよ」と思うようにしています(そう思わないと病んでしまうというのもある)。
人間関係を大事にする
若いころにバリバリに仕事をして成功をした人物が、人生の後半で上手くいかなくなる原因のひとつが「人間関係が薄い」ということがあるようです。
仕事上の関係はたくさんあるのですが、仕事以外での人間関係、仕事以外で楽しく会話できる人が異常に少ないそうなんです。
【人生後半の戦略書】には「何人くらい必要か」という言及はなかったですが、僕だったら思い浮かぶのは(妻を含めて)5〜6人くらいかな。おそらく深めの人間関係はこれくらいで十分だと思っています。
今、仕事以外での人間関係が希薄だち感じている人は、そういう人間関係を作っておく努力はしておかないと人生後半がつまらなくなるみたいです。
まあいろんな本や論文を読んでも、「結局は人間関係大事」っていう結論が多いですから、これは疑わず素直に従ったほうがいいでしょう。
50歳になったら引退するつもりで生きる
【人生後半の戦略書】で紹介されている古代インドの教えによると、正しい人生を歩むためには4つのステージを意識し、そのステージに合った生き方をするべきなのだとか。
ザックリ言うと、25歳くらいまでは勉強し、50歳くらいまではキャリアを積み、50歳前後で引退して教育や信仰をし、75歳からは悟りを開く、みたいな感じです。
前述した結晶性知能の話は、ここだと50〜75歳くらいまでの第3ステージで使うことができ、このステージでは人生の目標を設定し直す必要があると言います。
50歳くらいになると明らかに流動性知能は落ちるようなので、それは受け入れるつもりで「50歳までにやりきる」くらいに生きたほうがいいのかなと思いました。僕の場合、あと8年くらいかな。
今のうちにしっかりと知識と経験を積み上げておいて、最高の50歳以降にしたいですね。
まとめ
【人生後半の戦略書】によれば、「歳を取るにつれ衰える能力がある一方で、高まっていく能力があるので、それを使って人生を設計すべき」ということです。
これを知らずにこのまま生きていったら、確実に病んでいた自信がありますね。そして、若者に嫉妬して老害と言われる人になっていたかもしれません。
また【人生後半の戦略書】を読んでからは、歳を取るのも悪くないと思えるようになりました。