僕は1つのことを粘り強く続けることは得意なほうです。
けっこう周りからも「すごい」と言われるのですが,だからと言って人生が100%上手くいっているわけではありません。
むしろ自分の理想の人生とはほど遠く,まだまだ改善の余地があると思っています。
周りの人よりも続けることが得意なのに,周りの人のほうがよさそうな人生を送っていると感じることも少なくありません。
そういう現実を見ると,僕がやってきたことは間違っているのかと思ってしまいます。
今回紹介するのは,ジュリア・ケラー著【QUITTING やめる力】です。
【QUITTING やめる力】によると,忍耐は,生物学的な観点では,うまくいっていない限り意味がないと主張しています。
我慢して続けることの代償が大きすぎる場合,戦略的にやめることを推奨しています。
では「正しくやめる方法」はあるのでしょうか。
この記事では【QUITTING やめる力】を要約し,気になったところ解説していきたいと思います。
万人に当てはまる方程式はない
結論から書きますが,【QUITTING やめる力】を読んで「どんなときに我慢すべきで,どんなときにやめるべきか」ということの答えは見つかりませんでした。
「万人に当てはまる方程式なようなものはない」という結論です。
著者のケラーさんは「やめるのはいいことだと思っているし,やめるのはよくないことだとも思っている」と書いています。
これだけ読むと「だまされた!時間とお金を返せ!」と思うかもしれませんが,【QUITTING やめる力】には「やめる」ということをどう捉えるかで,自分の人生のやめるべきときとやめないべきときはわかると書かれています。
「やめること」を選択肢の一つとしてもっと活用する
【QUITTING やめる力】を読む価値は次のとおりだと思っています。
以下の画像は僕が【QUITTING やめる力】を読みながら書いたメモです。
まず【QUITTING やめる力】を読む前の人の状態はこんな感じ。
多くの人は「やめること」は悪いことと考えている状態です。
例えば,「仕事をやめる」「習い事をやめる」「人間関係をやめる」と聞いたとき,真っ先に思い浮かぶイメージはネガティブなイメージでしょう。
それが【QUITTING やめる力】を読んだあと,こうなっているのが理想なのかなと思います。
「やめること」を「いい」とか「悪い」という価値判断ではなく,どちらでもない,ただ今回の場合はやめることが自分にとって正しいとか,やめないほうを選んだとか,そういう価値判断ができるようになることが重要なのです。
どうも僕たち人間は,極端な考えをしてしまうことが多いです。
でも人生の中で極端な思考で上手くいくことなんてほとんどないはず。
それでもなぜ人間がこんな極端な思考が好きかというと「楽だから」なんですよね。
実際「やめるべきか,やめないべきか」を決断するとき,すごく考えなくてはいけません。
その考えることが面倒くさく,難しいから「やめるのは悪いこと」という価値観を最初から設定していまい,それに従うだけの人生になるわけです。
そんな僕たちに必要なのは「やめるべきか,やめないべきか」をもっと深く考え,どうしても「やめない」という方向に走りがちな僕たちが「やめる」選択肢をもっと活用できることなのです。
どんなときに「やめる」選択をするべきなのか
ここからは【QUITTING やめる力】を読んで,僕ならどんなときにやめる選択をするのかを書いていきたいと思います。
続けることで命の危険がある場合
まず最初は,続けることで命の危険がある場合です。
働きすぎで過労死するかもしれないというときは,その仕事はやめるべきでしょう。
命よりも大切なものはありませんからね。
ただ過労死をするかもしれないという状態で,やめることを選択する正常な判断能力があるかどうかはあやしいかもしれません。
自分の周りにあらかじめ「死にそうと感じたら仕事をやめるように促してくれ」と伝えておくのはいいかもしれませんね。
どうしてもやりたいことがあり,今やっていることをやめないと時間とお金が投資できないとき
新しいビジネスを思いついて,どうしてもやりたいと感じたとき,でも今やっていることで手いっぱいだと感じることってあると思います。
たいていの人は,現状維持を好むのでそのどうしてもやりたいことを封じ込めて,今ある仕事に打ち込むことになると思います。
ここで冷静に考えることができる人間になりたいですね。
新しいことって,最初のほうに集中的に時間とお金を投資しないと形になりづらいですからね。
いろんなことと同時進行って難しく,形にならず頓挫することがけっこうあります。
新しく思いついたことが「やりたい度何%なのか」をしっかりと考える必要がありますね。
今やっている方法で自分の目的を達成できないと気づいたとき
僕はいろいろな副業を試したり,オンラインサロンとかに入っていたのですが,それが自分の目的を達成するために意味がないと感じたものはキッパリとやめてきました。
最初は「こんだけ時間とお金をかけたのに…」とサンクコストの罠にはまりかけたり「今やっていることをやめて情報が手に入らなくなったらどうしよう」とか思いましたが,今はやめてよかったと思えています。
自分の目的を達成するためのロードマップをしっかりと考えないといけません。
今やっていることが目的を達成するために意味がなさそうなら,今までかけた時間やお金のことは無視してやめたほうがよさそうです。
どんなときに「やめない」選択をするべきなのか
では逆に,どんなときに「やめない」選択をするべきなのかも僕なりに考えたことを書いていきます。
ただ面倒くさいという理由だけではやめないようにする
「石の上にも3年」ということわざがあります。
もちろん本当に3年もムダなことを続けていたらダメかもしれませんが,あまりにも時間をかけなさすぎでやめるのもどうかと思います。
僕は YouTube で配信していましたが,今はやめています。
それでも試行錯誤しながら2年くらいは続けたかな。
何かを続けるとき,自分がやっていることのコツを掴むまでは最低でも半年はいると思っています。
なので僕はとりあえずは半年は続けるつもりでやりますね。
3日くらいやって「やーめた」はさすがにただ忍耐力がない人な気がするわけです。
「やめることで一瞬で解決する」と思ったら踏みとどまる
【QUITTING やめる力】の中に「やめることは,問題を一瞬で解決できる解決策ではない」と書かれていました。
正直ハッとしました。
こうやって考えている人って多い気がします。
もちろんやめることで解決するならやめればいいのですが,それが「逃げ」なら,いつかまた同じ障害に出会い,そのときに対応できないわけです。
これもよく考える必要がありますね。
やめてから次にやることがないとき
やめるということは,さぼったり,するべきことを放置することではありません。
ここを勘違いしている人も多そうです。
本来,何かをやめるとき,やめたあとにやるべきことが減るのではなく,増えているはずなんです。
仕事をやめるとき,新しい職種に挑戦するならば,勉強しなければいけません。
こういうやめ方は「いいやめ方」だと思います。
「やめたあとに暇にならないかな」と考え,暇になるのであればやめないほうがいいかもしれません。
まとめ
【QUITTING やめる力】を読んで,著者のケラーさんは「やめるのはいいことだと思っているし,やめるのはよくないことだとも思っている」と書いているのに衝撃を受けました。
正直「どっちやねん!」とツッコミたくなりましたが,結局「どちらかが絶対に正しい」ということはありません。
状況によりやめることが正しいこともあるでしょうし,やめないことが正しいこともあります。
大事なのは,何かやめようと思ったとき,しっかりと考えることなんですね。
その考えるサポートを【QUITTING やめる力】という本はやってくれると思います。