鈴木祐【社会は、静かにあなたを「呪う」】要約レビュー

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ずっと前に誰かに言われたことが「呪い」になってることって僕にはあって、例えば

  • 踊るときは力を抜く
  • インストラクターは情熱を持つべし
  • 成功したいなら寝ずに働け

みたいなことが自分にかけられていた呪いです。呪いをかけられたときは「そうなんだ」と思い、素直に実行していたんですけど、どうやら上手くいかず、逆に言われたことを全部やめてみたら上手くいったことのほうが多かったです。

また僕もこういう「呪い」を人にかけていたこともあるなと感じております。

今回紹介するのは、鈴木祐著【社会は、静かにあなたを「呪う」】です。

【社会は、静かにあなたを「呪う」】は、多くの人が「常識」として認識していたことを、科学的なデータをもとにぶった切り、皆さんにかけられていた「呪い」を解いてくれる本となっております。

多くの人にとって、心が楽になる一方で、「鈴木さんが主張したこともまた呪いになりうる」という考えさせてくれる内容となっております。

この記事では、【社会は、静かにあなたを「呪う」】を要約し、気になったところを深掘りして解説していきます。

本を読んで得た知識を僕なりにかみ砕いたり、すでに持っている知識と混ぜたりしているので、必ずしも本書と同じ内容ではない場合もあります。

競争にはメリットがある

【社会は、静かにあなたを「呪う」】は大きく分けて5つのテーマについて論じられていますが、その中でも「脱成長」と「情熱」の2つのテーマが現在の僕に刺さったので解説していきます。

まず「脱成長」の呪いです。これはざっくり言うと

  • みんなで一緒に努力とか成長やめようぜ

って感じの呪いです。

たしかに最近そういうこと聞くようになってきました。僕らが若かった20年前くらいは逆で「根性」「努力」みたいな風潮だったので、僕もどちらかというと「成長するべき」というマインドで今まで生きてきました。でもわりと、周りの人はそういう人が少なく、若い子たちが「上達したい」と言ってても「ぬるい努力しかしないなぁ」と感じていました。

もしかしたらそんな雰囲気も「脱成長」という空気のせいなのかなと思っていました。

そんな中で僕がずっと継続している「努力」があってそれが「競争」なんですね。

僕はダンスを教えているのですが、僕自身もまだまだプレイヤーとしてダンスをやっており、ソロのダンスバトルのような「競争」の現場にもできるだけ足を運び、参戦するようにしています。

僕が競争の現場にまだ身を置いているのは理由があって

  • 勝敗というフィードバックがあるから、具体的な練習をしやすい
  • 実績がついたら、仕事に繋がるかもしれない

っていうことです。

一番大きいのは、実際に本番で踊ってみて、勝敗や動画というフィードバックからもっと上手くなるヒントが欲しいという感じです。体は衰えても、昨日の自分よりも1歩でも成長したいっていうのがあるからなんですね。

実績はおまけみたいなものですが、実績がある人しか見ることができない「景色」が見てみたいというのもあります。

ってなことをずっと考えていたのですが、なんと【社会は、静かにあなたを「呪う」】にも競争のメリットが以下のように書いてありました。

  • 他者と競い合うことで、自らの特性を把握しやすくなる
  • 私たちの能力や強みを周りに伝える手段になってくれる

「競争は悪いものではないよ」と言われただけで、今まで自分がやってきたことがちょっと報われた気になりました。

もちろん「勝敗」だけにこだわっていると、おかしなことになる側面もあるので、それはしっかりと頭に入れておかなければなりません。しかし、競争のメリットを知っておけば、「自分だったらどうするか」は考える材料になるかと思います。

情熱にはデメリットも多い

「情熱を持って生きろ」というのも「呪い」として働きます。というのも、僕はわりかし情熱があった側の人間だったと思います。ダンスのインストラクターとして後進を育てたいという気持ちもあったし、イベントをしてダンスを盛り上げようという気持ちもありました。

でも、そうやって情熱を持って取り組んでいくと、どうしても小さな挫折がありますよね。本当にちょっとしたことに心が折れかけるということが何回もあったんですね。

「こっちはこんなに一生懸命やってるんだけどなぁ」と感じながら、いろんな活動を辞めていきました。

【社会は、静かにあなたを「呪う」】の中でも

  • いわば情熱には、モチベーションの前借りのような面がある。

と書かれており、もしかしたら僕はバーンアウトの寸前で逃げることができてたのかなと思いました。

「自分ってけっこう冷めてるな」と感じることがあって、これは良いことなのか、悪いことなのかずっと考えていましたけど、「情熱があることが必ずしも良いわけではない」っていうのがわかっただけでもかなり心は軽くなりました。

現在では、きちんと仕事はやりつつも、他の道も探していて、情熱がうまく分散できているのかなと思います。

まとめ

社会は、静かにあなたを「呪う」】は、多くの人が「常識」として認識していたことを、科学的なデータをもとにぶった切り、皆さんにかけられていた「呪い」を解いてくれる本となっております。

現代人ってたぶん呪われている人が多いと思いますので、【社会は、静かにあなたを「呪う」】を読むと自分の生きづらさの原因がわかり、心が軽くなるかもしれません。

結局は絶対的な答えはなく、物事の両面を知り、自分ならどうするかを考えるしかないのですが、その第一歩となる本なのかなと思いました。

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