アダム・カヘン【敵とのコラボレーション 賛同できない人、好きではない人、信頼できない人と協働する方法】要約レビュー

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  • 嫌いな人とは関わりたくない。
  • だけど仕事上、どうしても関わらないといけない。
  • 嫌いな人と上手く関わるにはどうすればいいの?

僕も好き嫌いがはっきりしている人間で、嫌いな人間とは極力関わりたくないと思って生きています。

幸い、嫌いな人と関わらなくても生きていけていますが、別に嫌いな人じゃなくても「イラッ」とすることはあり、こういうときはどうすればいいんだろうといつも考えています。

今回紹介するのは、アダム・カヘン著【敵とのコラボレーション 賛同できない人、好きではない人、信頼できない人と協働する方法】です。

【敵とのコラボレーション 賛同できない人、好きではない人、信頼できない人と協働する方法】では、対立とつながりという相反する衝動を許容し、全員の合意が必要という考えに固執せずに実験し続け、責任を持つ、というスタンスを取ることで、敵とも協力的に仕事ができると書かれています。

無理に敵と関わる必要はないとは思いますが、その方法を知っているとさらに楽に生きれるはずです。

この記事では【敵とのコラボレーション 賛同できない人、好きではない人、信頼できない人と協働する方法】を要約し、気になったところを解説していきます。

本を読んで得た知識を僕なりにかみ砕いたり、すでに持っている知識と混ぜたりしているので、必ずしも本書と同じ内容ではない場合もあります。

コラボレーションは唯一の選択肢ではない

まず【敵とのコラボレーション 賛同できない人、好きではない人、信頼できない人と協働する方法】の前提として、誰かと一緒に問題解決を試みる場合、4通りの選択肢があると書かれています。

  • コラボレーション
  • 強制
  • 適応
  • 離脱

そのうえで以下のように書かれています。

私たちは常に誰とでも協力できるわけではないし、誰とも協力できないわけでもない。だから、コラボレーションは必ずしも正しくはなく、必ずしも間違いでもない。

アダム・カヘン; 小田理一郎. 敵とのコラボレーション――賛同できない人、好きではない人、信頼できない人と協働する方法 (p.50). 英治出版株式会社. Kindle 版.

コラボレーションの本なので、コラボレーション推しかと思っていたのですが、そういうわけではないみたいです。

僕も嫌いな人と関わるのが苦手だったのでこの本を読もうと思ったのですが、必ずしもそうする必要がないと書いてあるのは心が楽になりましたね。

「自分には選択肢がある」と知っていると知らないとでは全然違いますからね。

ほとんどの場合「強制する(される)」「適応する(してもらう)」「離脱する(してもらう)」という選択肢しかありませんから、それが悪いわけではないのですが、武器として「コラボレーション(協働する)」という知識を知っているのは武器ですよね。

集団的な行動をとることと、個人的な責任をもつことを両立させる

【敵とのコラボレーション 賛同できない人、好きではない人、信頼できない人と協働する方法】で主張されているコラボレーションとは、ざっくり言えば以下の2点。

  • もっと集団的な行動をとること
  • もっと個人的な責任をもつこと

この2つを両立させることだと書かれていました。

コラボレーションなので、「もっと集団的な行動をとること」はまあわかりますが、「もっと個人的な責任をもつこと」というのはハッとさせられましたね。

何かしら集団で動く場合、責任は分散しますし、ヘタすれば誰かに押し付けて自分には責任はないというスタンスで動く人もたくさんいます。

このスタンスは「強制」か「適応」であり、コラボレーションではないってことなんですね。

「集団で動くにも関わらず、自分の責任はしっかり果たす」って、よく考えたらできない人けっこういるんですよね。

一緒にやってるんだけど、どこか他人行儀というか。

「関わってくれるだけありがたい」と思うこともあるのですが、どこかこちらもその人のことを完全に信用していないということがあります。

それでもいいかなって思ってしまうことも多いので、それ以上発展はしませんが、もっと関わって欲しいし、その人の力がないともっと良くできないという場合には、コラボレーションのスキルを発揮しないといけません。

息を「吸う」と「吐く」は同時にできない

【敵とのコラボレーション 賛同できない人、好きではない人、信頼できない人と協働する方法】で主張されているコラボレーションのポイントは大きく分けて3つあります。

そのうちの1つが「対立とつながりを受容する」ということです。

すべての人や集団は「力(パワー)」と「愛(ラブ)」という衝動を持っていると書かれています。

  • 力(パワー):生けるものすべてが自己を実現しようとする衝動。「主張する」という行為として現れる。
  • 愛(ラブ):切り離されているものを統一しようとする衝動。「関わる」という行為として現れる。

「対立とつながり」というのはこの「主張と関わり」のことであり、これらの対立する衝動のどちらも必要であると考えられています。

「主張」だけだと強制や適応、離脱という結果を生みますし、「関わり」だけだと何も前に進まないからです。

これらの相反する衝動は、息を「吸う」と「吐く」が同時にできないのと同じことで、交互に行うことで解決します。

  • まず相手と関わる。
  • 関係が深くなると、どちらかに不満や深いが生じる。
  • 主張や要求が発生する。
  • 再び関わりに戻る

という感じです。

これを見たときに「これでいいんだ」と思いました。

今までの僕の考えだと、人間って一貫性が大事だと思っていたので、不満や不快が生じないように前提条件を提示して、約束したことは守るというのが僕のコミュニケーションでした。

でもこういうふうに、問題が生じたらそのときにまた解決すればいいというスタンスでもいいんだと思い、ちょっと楽になった気がしますね。

まとめ

敵とのコラボレーション 賛同できない人、好きではない人、信頼できない人と協働する方法】では、対立とつながりという相反する衝動を許容し、全員の合意が必要という考えに固執せずに実験し続け、責任を持つ、というスタンスを取ることで、敵とも協力的に仕事ができると書かれています。

やはり両極端な意見や行動を貫くよりも、柔軟に態度を変えていくほうが人生の役には立つと感じました。

【敵とのコラボレーション 賛同できない人、好きではない人、信頼できない人と協働する方法】では、戦争レベルの対立で起きたコラボレーションについても事例も書かれているので、ぜひ読んでみて欲しいと思います。

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