パトリック・ファーガン【#HOOKED】要約レビュー

心理学
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  • ビジネスをやっているけど上手くいってない
  • 広告をどういうふうに作っていいのかわからない
  • 顧客に自分のメッセージが伝わっていない気がする

昔よりは自分でビジネスをする人が増えてきた印象がありますが,ビジネスの勉強している人は多くありません。

SNSでもたくさんの広告が配信されいてる中,自分のビジネスを顧客に見つけてもらうのは至難の業だと思います。

自分のビジネスの広告・メッセージが顧客に伝わるにはどうすればいいのでしょうか。

そんな疑問に答えてくれるのが,パトリック・ファーガン著【#HOOKED】です。

【#HOOKED】によると顧客にメッセージを届け,自分のビジネスを成功させるためにはいかの3つの流れが必要だといいます。

  1. 気づかせる
  2. 考えさせる
  3. 行動させる

この記事では【#HOOKED】を要約し,気になった部分を解説していきます。

「わたしのこと?」と思わせるキャッチコピーをつくる

騒がしい場所で隣にいる人の声も聞こえにくいのに,遠くのほうで自分のことを話している話し声は聞こえたりすることってありませんか?

こういうのを「カクテルパーティー効果」と言います。

基本的に人間は膨大な量の情報をほとんど処理せずにやりすごしています。

ですが,脳が「この情報は重要だ」と判断したとたん,情報に意識を向けます。

人間にとって重要な情報とはいろいろありますが,前提は「自分に関すること」です。

だから広告のキャッチコピーを考えるときにまず考えたほうがいいことは,メッセージを見る人が「これ自分のことじゃん」と思うようなキャッチコピーにすることです。

この「じぶんごと」の効果を使って成功したと言われているCMが,あるメーカーのビールのCM。

内容は「週末の中年サラリーマンの物語」。

おそらくこのCMをみて,中年のサラリーマンがそのビールを買っていったのでしょう。

ビールは大ヒットしたそうです。

ちなみにそのビールの以前のCMは「品質訴求」のCMだったそうです。

自分の商品のスペックを説明するようなメッセージはやめたほうがよさそうですね。

コントラストを駆使したデザインをつくる

広告やメッセージは「気づいてもらう」ことが重要です。

その気づいてもらうためのテクニックの1つが「コントラスト」です。

コントラストとは,際立った不一致性や対比性のこと。

例えば,フォントサイズ10ptの文章に突然24ptくらいのフォントが現れたり,白っぽい画像のとなりにカラフルな画像を使ったりして目立たせることですね。

僕は広告を作成するときによく「黒背景に白文字」のコントラストを使います。

これけっこう目立ちます。

正直,デザインのセンスもないし,Adobe Illustrator とかもあんまり使いこなせてないのでガチャガチャした広告を作ることができないのですが,コントラストはそこまで難しくない上に目立つのでコスパいいと思います

ちなみに広告におけるコントラストは【ノンデザイナーズ・デザインブック】にわかりやすく書いてますのでこちらもオススメしておきます。

好奇心を刺激する内容にする

人間はもともと好奇心が強い生き物です。

クロスワードパズルがあれば解こうとしてみたり,クイズを出されたら嫌でも答えを考えようとしてしまいますよね。

広告の場合でも,好奇心を刺激するためにクイズみたいなものを用意するといいと思います。

ちょっとした謎を用意すると,そのメッセージに触れる人は立ち止まって考えますよね

ほとんどの広告を素通りするのが人間ですが,立ち止まってもらう工夫,その1つがクイズです。

ちなみにですが,好奇心を刺激するためには,簡単すぎたり,難しすぎたりするとダメとも言われています。

好奇心を刺激するためには「多くの人が知っていることと知らないことを混ぜる」と良いようです。

例えば「ジャズとオペラの歌い方の違いわかりますか?」みたいなキャッチコピーですね。

ジャズとオペラという単語は多くの人がわかります。

でも歌い方の違いはほとんどの人がわかりません。

このように知ってることと知らないことを混ぜると良いキャッチコピーができると思います。

このことは【SEOに強いWebライティング】でも書いています。

ハードルをとことん下げることを心がける

【#HOOKED】は「人間は不合理」ということを強調しています。

「これくらいの文章理解できるだろ」と思っていても全然理解されなかったり,「普通こう行動するだろ」ってこともその通りに行動されることはほぼないと言ってもいいでしょう。

簡単に言うと「他人に期待してはいけない」ということであり,もし伝えたいメッセージがあり,行動してほしい行動があるとすれば,そのハードルをとことん下げる必要があります

では具体的にハードルを下げるにはどうすればいいのでしょうか。

これは僕の考えですが,相手を「10歳くらいの何も知らない子ども」だと思って接することです

知識も理性もないけど,言葉はある程度わかるくらいの年齢の子どもにどうやって伝えるか,どうすれば行動するのかを考え抜けば,かなりいいメッセージができるのではないかと思います。

可能であればストーリーをつくる

ストーリー(物語)は人の記憶に強く残ると言われています。

教科書の内容は覚えにくいけど,漫画や小説の内容を覚えている人はたくさんいますよね

これを広告にも利用するのです。

【#HOOKED】にもどのようなストーリーが良いのかということは書いてありますが,これけっこう難しいんですよね。

自分のビジネスに消費者が刺さるストーリーがない場合もありますからね。

僕もいくつかストーリー形式の広告を作ったことがありますが,今のところ大成功したという事例はありません。

ただ読んでくれるのは読んでくれるので,もう少し練習と工夫が必要かなという感じです。

過去を思い出しながら,いろんな角度から掘り下げていき,いくつもストーリーを作っていくとわかってくるかも。

こればっかりは何度か実践しないと難しいなと感じています。

広告は何度も消費者の目に留まる工夫をする

消費者は広告を読んでみて「良い」と思っても,実際に行動を起こすまではタイムラグがあります。

この間に広告を忘れてしまう可能性は十分にあり得ます。

なので消費者が広告について忘れないように,反復してメッセージを伝えていく必要があります。

しかし,まったく同じことを,頻繁に反復されてもうざいだけです。

自分がやられても嫌でしょう。

でも反復はしないといけません。

なので内容と頻度などはよく考え,いろいろ試してみないといけません。

【#HOOKED】の中にあった事例で「シリーズものにする」というのがありました

例えば,ソフトバンクの「ホワイト家族」のCM。

おそらく誰しもが見たことがあるのではないでしょうか。

あれって同じキャラクターが出てきますが,ストーリーがシリーズになっていて,たくさんのCMがありますよね。

あのCMを見て消費者は「うざい」とは感じないでしょうし「ソフトバンクのホワイト家族」という商標は覚えてしまうわけです。

なるほどな〜と思いました。

自分のビジネスで何かシリーズものにできるストーリーがあるかな…けっこう難しそうですが,考えてみるのはおもしろそうです。

安さに訴えることをやめる

【#HOOKED】の最後の章には「じゃあ具体的にテクニックをどういうふうに使うのか」というところまで言及してくれています。

その中の1つで「安さに訴えることをやめる」というのがありました。

安売りとかキャンペーンとかよくやりがちですよね。

たしかに効果もあるのでしょうが,その安くなった価格がアンカーになる可能性があり,長期的に持続可能なビジネスになるかどうかがあやしくなりそうですよね。

なのでブランド自体に興味や関心を向けることに注力したほうがいいと主張しています。

例えば,売れない商品を安くするのではなく,その商品が目に留まりやすくする工夫だったり,手に取りやすい位置に置くだったり「物理的な工夫」が推奨されています

そのあたりも【#HOOKED】には詳しく書いてあるので読んでみてください。

安くするのは馬鹿でもできます。

安くするならするで,その前に「頭を使え」ってことだと思っています。

まとめ

#HOOKED】を読んで学んだことは「人間はまったく合理的な判断ができないので,とにかくお膳立てをして自分のサービスを見つけてもらう工夫が必要」ということでしょうか。

昔の僕はこの視点がまったくありませんでした。

「いいサービスなら向こうから勝手に見つけてくれるだろう」

「これくらいのメッセージで十分に伝わるだろう」

とこちらからすれば都合のいい解釈をしていました。

それで上手くいってた時期もあるのですが,上手くいかない時期はまったく上手くいかず,運まかせなビジネスをしていたなと思います。

【#HOOKED】の知識があるかないかで,その運まかせなビジネスからは少なくとも脱却できるのではないかと思います。

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