副業ブームや独立ブームのせいか,自分でビジネスを始める人も増えてきましたが,上手くいっている人は多くないのが現状です。
会社員として給料をもらっている環境から,自分でビジネスをするという環境に変わり,今までのままでは通用しないことのほうが多いからでしょう。
今回紹介するのは,犬飼ターボ著【月の商人】です。
【月の商人】はある女性が商人になる過程のストーリーで,その中で商売の基本となる教えを紹介してくれています。
【月の商人】のターゲットは女性のようですが,そこまで女性に特化した内容ではないと思います。
男性でも十分に役に立つ内容となっています。
この記事では【月の商人】の内容を要約し,気になったところを解説していきます。
売り物よりも売り方に力を入れる
よく「商品が良かったら勝手に売れる」ということを聞いたことがあるかもしれません。
確かにそういうこともあるかもしれませんが,基本的には商品の力よりも売り方のほうが重要です。
もちろん商品の質が低すぎたらダメですが,ある程度の質になったら売り方に力を入れる方向に戦略をシフトしていきましょう。
この話をすると「アピールするとかダサい」という人が一定以上出てきます。
そういう人は「商品力信仰」が強い人たちで,過去に成功したことがある人が多いです。
ただもっと視野を広げてみると,商品のアピールのほうが大事で,むしろアピールの力だけで売れていった商品もあることがわかると思います。
最近だと YouTube の動画。
キャッチコピーやサムネイルが秀逸でついついクリックしてしまったけど,動画の中身は普通っていうの多くないですか?
逆に動画の中身はおもしろいのに,キャッチコピーやサムネイルで損している動画もたくさんあります。
このあたりの話は【天才性が見つかる 才能の地図】や【ザ・フォーミュラ】を読むとよくわかるかもしれません。
価値を言葉にしてアピールする
上の「売り物よりも売り方に力を入れる」の話ともつながってきますが,アピールするためにはまず,自分の商品の価値を言葉にすることです。
先ほど例にあげたYouTubeの動画もそうで,動画にキャッチコピーをしっかりつけないと視聴者は気づいてくれません。
視聴者は価値を見極めることはできませんからね。
自分でビジネスをしている人は,自分がやっていることを言葉にしたり,名前を付けたりする必要があるってことです。
キャッチコピーとかネーミングってやってみると最初は難しく,僕もまだぜんぜん慣れないのですが,最初にやり始めたころよりはだいぶマシになってきました。
こういうのもトレーニングなんですよね。
大切な友人として自分を扱う
上手くいかなかったとき,多くの人は自分を責めてしまいます。
失敗した責任はすべて自分にあると自分を責めたことは誰しもがありますよね。
しかし【月の商人】では「自分責めをやめて自分育てをする」ことが推奨されています。
自分育てと聞くとピンと来ないかもしれませんが,自分を親友だと思い,アドバイスをしたりなぐさめたりすればいいのです。
親友が頑張っていたら失敗しても責めたりせず,ねぎらいますよね。
それを自分にするのです。
なんか馬鹿馬鹿しいと思うかもしれませんが,実はこれは「セルフ・コンパッション」という認知行動療法の一種で,科学的に根拠がある手法なのです。
自分を許すことで,メンタルにもいいですし,行動力があがるらしく,目標達成率もあがるのだとか。
失敗が自分のせいだと思うのはいいのですが,いちいち自分を責めることはやめようというのが,現代のスタンダードなのです。
まとめ
【月の商人】は女性が商売で成功するための教えが書かれた本ですが,僕たち男性にもぜんぜん役に立つ内容でした。
商売の教えとしては基本的なことでしたが,だからこそビジネス初心者の人は読んだほうがいい内容です。
物語形式なので本が苦手な人でも読みやすいはず。