「ワーキングメモリ」とは、何かの目的のために一時的に情報を覚えておく働きのことです。例えば、「二階からスマホの充電器とってきて」と言われて、二階に上がるまでスマホの充電器をとってくることを覚えておくことができるのは、ワーキングメモリが正常に働いているからです。
このワーキングメモリっていうのは高いと有利みたいで、勉強でもワーキングメモリが高い人のほうが成績が高い傾向にあるっぽいんです。
で、僕はどうなんだろうって考えたときに、おそらく僕はワーキングメモリそこまで高くない人だと思っています。言われたことがすぐにできるタイプでもないし、緊張したら自分が思ったとおりの行動ができなくなることが多いです。
そんな人間でも、努力を続けて知識を長期記憶に入れることができているので、それなりに生きることができていますが、「ワーキングメモリも高くなりたいな〜」とも思ったりするわけで…
今回紹介するのは、河村暁著【教室の中のワーキングメモリ:弱さのある子に配慮した支援】です。

【教室の中のワーキングメモリ:弱さのある子に配慮した支援】は、おもに学校での支援の方法が書かれた本です。僕も子どもがいますし、人に教える立場でもあるので、そういう意味でも役に立ちましたし、「じゃあ自分に対してはどうするか」ってことも考えることができて良かったです。
この記事では【教室の中のワーキングメモリ:弱さのある子に配慮した支援】を要約し、気になったところを解説していきます。
ワーキングメモリは鍛えられないと心得よ
ワーキングメモリが高いと、処理能力は高いので、いわゆる「頭がいい」という状態になります。となると、「ワーキングメモリを鍛えて頭良くなろう」と考えたくなりますよね。
でも残念ながら、ワーキングメモリっていうのは筋肉みたいには鍛えられないみたいです。
ワーキングメモリは子どものときは低く、成長するにつれて高くなっていきます。だから子どものときに低さがあっても、大人になったら高くはなるのですが、それでも個人差はどうしてもあり、自分の上限値みたいなものは決まっていると考えたほうが良さそうです。
なので、ワーキングメモリを鍛えるというよりは、学習や生活を改善しながら「上手く使っていく」というのが正しいということです。
不安を減らす
じゃあワーキングメモリを上手く使っていくにはどうすればいいのでしょうか。いくつかありますが、まずは「不安なことを書き出す」という方法があります。【セルフケアの道具箱 ストレスと上手につきあう100のワーク】でも紹介されていた「外在化」というテクニックです。
どうもワーキングメモリは感情に弱いようで、何か集中したいことがあっても不安なことがあったらそっちに気を取られワーキングメモリがパンパンになってしまいます。
これが究極的には「頭が真っ白になり何もできなくなる」という状態になってしまうのですが、それを防ぐためには「不安を書き出す」ということをしてあげれば良いでしょう。
事前に物事の手順を考えておく
仕事が忙しくなると、何から手をつけていいのかわからなくなりますよね。そんなときにも「やるべきタスクを書き出す」という外在化は役に立ちます。
頭の中に残っているタスクを全部紙に書きだし、優先順位を付けて片づけていけば、ワーキングメモリをそこまで使わなくてもタスクを遂行できると思います。
パニックを減らす
上述した「不安を減らす」と似ていますが、一度に複数の人から話しかけられたりするとパニックになりますよね。僕はなります(けっこうストレスを感じます)。
そういう場合は「一人ずつ話して」と伝えて一人ずつ話してもらえば解決します。
例えば皿洗いをするときでも、家族の食器を全部まとめて洗おうとすると大変でパニックを起こしそうになりますが、「使ったものからすぐに洗っていく」というふうにすると意外と楽にできます。
僕は仕事をするときも、デスクが散らかっているとワーキングメモリに負担がかかる気がするので、必要のないものは片づけたりして仕事をします。これだけでかなり気分が楽になるんですよね。
まとめ
【教室の中のワーキングメモリ:弱さのある子に配慮した支援】は、おもに学校での支援の方法が書かれた本です。僕も子どもがいますし、人に教える立場でもあるので、そういう意味でも役に立ちましたし、「じゃあ自分に対してはどうするか」ってことも考えることができて良かったです。
今までの人生を振り返ってみると、上手くいかなかったことってワーキングメモリの低さがあるのに無理してたんじゃないかなって思ってます。まあようするに「生き急いでいた」んですね。
自分のワーキングメモリのレベルに配慮してゆっくり生きていこうと改めて決意させられました。