僕もスポーツをやっているので,コーチから「力を抜きなさい」とよく言われます。
でも力を抜くとスポーツの動作はできないし,力を入れないといけないシーンは絶対にあるし,いまいちピンと来てない状況が長い間続いていました。
ということで,何かしら本で勉強しようと決意。
今回紹介するのは,広沢成山著【「正しい脱力」講座】です。
【「正しい脱力」講座】では,「脱力=力の最適化」と捉え,力の最適化を学ぶためのエクササイズが紹介されています。
全12講座あるのですが,1つずつ着実に練習していけば脱力について理解できるようになっています。
この記事では【「正しい脱力」講座】を要約し,気になったところを解説していきます。
脱力とは力の最適化のこと
スポーツとかをしていると指導者によく言われるのが「もっと力を抜け」ということです。
いわんとしていることはわかるんですよね。
力を抜いたほうが力を発揮できるというのもわかります。
でも「力を抜く」って実際どれくらい抜くのかというのは難しいです。
そもそも力を抜くと運動ができませんからね。
【「正しい脱力」講座】では,力を抜くということを以下のように説明してます。
身体の使い方の技術として脱力を考える場合は,単純に力を抜くということではなく,無駄な力を抜いて必要な力を入れるという「力の最適化」を目指すものであるという捉え方が必要です。
ようするに「脱力=最適化」ということですね。
例えばサッカーの初心者だと,ボールを蹴るときに肩とかに力が入ったりしてしまいますよね。
おそらくボールを蹴るときに肩が力む必要はないと思うので,これが無駄な力というやつなのでしょう。
ボールを蹴るときに足の力を抜いてしまうとボール蹴れません。
脱力って言葉が誤解を招いているのでしょうが,力の入れ方を最適にするってことなのです。
坐骨で座る
【「正しい脱力」講座】にはいろいろなエクササイズが書かれており,1つずつマスターしていけば脱力というものが少しはわかるのかなと思っています。
ただやってみるとわかりますが,けっこう難しいです。
やってみてもフィードバックがないのであってるかどうかもわかりませんからね。
そんな中でも僕がわかりやすく,実践しやすかったものだけを紹介してみます。
まずは「坐骨で座る」です。
坐骨とは,椅子に座ったときにゴリゴリあたる,おしりの左右にある骨です。
椅子に座るときに坐骨に体重を乗せるように座ってみてください。
その座り方が「まっすぐ」の状態です。
最初は「え? これがまっすぐ」って違和感があると思いますが,それは今まで坐骨で座ってなかった状態,ようするに身体がズレた状態で座っていたということなのです。
ためしに反り腰で座ってみたり,猫背で座ってみたりしてください。
坐骨に体重が乗るという感覚がなくなると思います。
それがズレた状態で座っている状態=どこかに無駄な力が入っている座り方ということです。
距骨(足首)で立つ
次にやりやすかったのは「距骨で立つ」です。
距骨は足首の骨です。
普段立つときにどこに体重が乗ってますか?
「つま先」とか「かかと」に乗ってる人が多いかと思うのですが,これを「足首に体重を乗せる」という意識にしてみてください。
足の裏のつま先側(拇指球と小指球)とかかとの3点は支えているだけで,体重が乗っているのはあくまで足首の骨,ようするに距骨なのが理想なのだそうです。
まずは立つときにそれを意識だけしてみてください。
意識をするだけでも人間の身体というのは反応してくれます。
で距骨に体重を乗せた状態で歩いてみてください。
慣れてくると「疲れない歩き方」になってきます。
歩くという行為は骨盤が移動した結果である
正しく歩く,脱力して歩くということを考えるとき「足をどうすればいいんだろう」って考えると思います。
【「正しい脱力」講座】には,歩くときには「腰から動かす感覚で歩く」と書かれています。
「腰が移動するからそれに他の部分がついてくる」というイメージです。
僕のイメージでは腰(骨盤)がドローンになって,そのドローンが先に進んでいくという感じです。
ただ脱力しすぎて,腰だけがぐにゃりと動いてしまうとダメですよね。
そのためには重心部分だけを動かせるように練習する必要があるとのことですが,このエクササイズはちょっと難しかったかな。
まとめ
【「正しい脱力」講座】では,「脱力=力の最適化」と捉え,力の最適化を学ぶためのエクササイズが紹介されています。
正直,本だけで学ぶのはフィードバックがないから厳しいものもありますが,言語化されているのは強みですね。
自分の中であいまいな感覚を文字で表現できるようになるのは良かったです。
あとは自分ができそうなものから実践していき,上手くなってくれば他の難しいエクササイズも理解できるようになってくるのではと思いました。