毎年,新しいダイエット本が出るのと同じように,毎年同じような時間術の本がたくさん出ています。
しかし,ダイエットに成功した人が少ないのと同じように,仕事のやり方が劇的に改善し,自由な時間が増えたという人も少ないでしょう。
僕も仕事の効率化の本とか好きで,時間術の本もけっこう読んでいます。
読んでみるともっともらしいことも書かれているのですが,確かに今まで仕事が楽になったなという感覚はなかった気がします。
自分の人生に余裕を生むために時間術を使うはずなのですが,時間術を使っても余裕は生まれていません。
自分の人生の忙しさを消すためにはどうすればいいのでしょうか?
そんな疑問を解決してくれるのが,鈴木祐著【YOUR TIME】です。

この本によれば「数々の時間術は個人の時間感覚によって効果が大きく変わってくる」とのことです。
まずは自分の時間感覚はどうなっているのかを診断し,そのタイプによって時間術を使い分けるべきだと主張しています。
また本書では「時間術は対処療法にすぎない」「時間を効率にしようとすればするほど焦りが生じる」「時間不足を根本的に解決する必要がある」と他の時間術の本とはまったく違った切り口を展開しています。
しかしこれがはまったのか,この本の内容を実践してみると「なんかいつも忙しい」という感覚がかなり消えてきました。
この記事では鈴木祐さんの【YOUR TIME】を要約し,気になったところをレビューします。
時間がうまく使えない人は「予期」と「想起」が下手
時間をうまく使える人になるためには,自分の時間感覚のタイプを知る必要があります。
自分のタイプを知るためには「予期」と「想起」がポイントになってきます。
予期と想起は以下のような意味です。
- 予期:「これからこうなるだろう」という未来の予測
- 想起:「そういえばこうだった」という過去の記憶の思い出し方
例えば「レポートを締切ギリギリに提出した」という過去の出来事があったとして「そういえばレポート前回ギリギリだったから今度は早めに取り組もう」という考えができる人は想起が正しい人と言えます。
逆に「前回もまあ普通にいけたから今回もいけるでしょ」と考えてしまう人は想起が間違っている人です。
当然,後者のほうが時間感覚が悪いと言えます。
予期と想起にはそれぞれ2×2のマトリクスがあります。
- 予期:濃い or 薄い,多い or 少ない
- 想起:正しい or 誤り,ポジティブ or ネガティブ
本書ではまず,自分の時間感覚をテストで診断することから始まり,そのタイプに当てはまる時間術を使っていこうという流れになっています。
ちなみに僕の結果は以下のとおりでした。
- 予期:容量超過タイプ(予期が濃くて多い)
- 想起:怖がりタイプ(想起が正しいがネガティブ)
簡単に言えば,予期に関しては「将来の自分との繋がりは強いが,やるべきことのイメージが多すぎる状態」です。
だから常に焦っている感覚におちいるのですね。
また想起に関しては「過去の記憶は正しいが,その内容をネガティブに捉えている状態」です。
ネガティブなイメージが強いからこそ,仕事に手がつかず,やることが貯まっていきます。
ぜひ皆さんも本書のテストを受けてみて,自分の時間感覚を診断してみてください。
テストはすぐに終わりますので。
生産性にこだわる態度こそ問題の根源
自分に合った時間術については,皆さんが本書の診断テストで自分の時間感覚を診断してから,それ合った時間術を使ってみてください。
しかし,本書では「時間術はあくまで対処療法」であり,「生産性にこだわる態度こそ問題の根源」と主張しています。
実際に,日本でも世界でも「常に時間が足りない」という感覚におちいっている人が70%以上はいるようです。
しかしデータで見ると,昔から自由な時間は増えてもないし,減ってもいないのです。
むしろ仕事の時間は少し減っているというデータもあります。
それでも現代人は常に時間がないと感じています。
これは近代に生まれた生産性にこだわる態度からくる不安や焦りが原因になっているのです。
この焦りに関する対策も書かれていますが,簡単に言えば「もっと余裕を持って生きよう」という言葉に尽きます。
大量の情報を一目見るだけで満足するのではなく,もっと1つのコンテンツをじっくり味わったりするべきです。
またあえてボーッとする時間をあらかじめ作ったり,あえて退屈なことをやってみたりと,生産性を追い求める人からすればまったく無駄な時間をあえて過ごすことで,時間感覚は回復していくと言います。
イベントタイムで過ごす
心の余裕を大事にするという意味では「イベントタイムで過ごす」ことも推奨されていました。
イベントタイムとは,あまり時計を気にせず「目が覚めたら起きる」「お腹が減ったら食べる」「仕事が終わったら休む」のように,時間を気にせずイベントを処理していくやり方です。
これに対して「7時に起きる」「12時にランチを食べる」「18時に退社する」のように時計にしたがって生活することを「クロックタイム」と言います。
クロックタイムは効率を重視し,イベントタイムは効果や安心を重視する生活スタイルです。
今の日本で100%イベントタイムで過ごすことはかなり難しいでしょう。
しかし,取り入れることができる場合は部分的にでも取り入れてみてください。
例えば,出社時間と退社時間は決まっているのでクロックタイムで生活するしかありませんが,会社の中での働き方はイベントタイムでも可能な場合もあるかもしれません。
それが無理なら帰宅してからはイベントタイムで過ごすなど可能な限り取り入れてみてください。
まとめ
僕も効率重視な生き方をしてきました。
でも今思えば,仕事の生産性は低かった気がします。
YOUR TIMEを読んで,少しずつ効率重視の生き方から抜け出していったのですが,今のほうがこなしている仕事量が多いです。
そして,これからやらなければいけない仕事,いわゆる仕事の在庫もかなり減りました。
この本に出会わなければ,いまだにずっと焦っている感覚の中で仕事をしていたと思うとちょっと怖いですね。