僕もスポーツをやっているので,練習して上達したいという気持ちは常に持ち続けています。
若いころはがむしゃらに時間をかければ上達していた気がしますが,年を重ね,体力も長くもつわけではないし,仕事もある中で時間を見つけて練習していかなければいけません。
他の人と同じ時間しか練習できないという状況でも,その人たちよりも上達することなど可能なのでしょうか。
今回紹介するのは,クリストファー・S・アーマッド著【SKILL 一流の外科医が実践する修練の法則】です。
【SKILL 一流の外科医が実践する修練の法則】には,一流のスポーツ選手や音楽家がどのように練習して上達しているのかという研究をベースに,外科医の手術のスキルをどう高めていくのかということが書かれています。
ベースの研究はスポーツや音楽なので,僕がやっているスポーツにも使える内容でした。
この記事は,【SKILL 一流の外科医が実践する修練の法則】を要約し,気になったところを解説していきます。
スキル=負荷×時間
【SKILL 一流の外科医が実践する修練の法則】の中では,スキルが上達するためには,負荷と時間が必要だと書かれています。
時間が大事というのはわかると思いますが,負荷というのがイマイチわかりにくいかもしれません。
練習に必要な負荷というのは,自分の実力よりもちょっとだけ上のことをやるという意味です。
これを「背伸び」と表現されていましたが,簡単にできるようなことを何時間やってもスキルは上達しないということです。
例えば,運転免許を持っている人にとって,自動車の運転はそこまで難しいことではないでしょう。
だから何年もクルマの運転をしても,車の運転のスキルが上達することはありません。
もし車の運転のスキルを上達させたいのであれば,例えばF1レーサーのような練習が必要になるでしょう。
成功率が50〜80%くらいの練習をする
じゃあ負荷をどれくらいに設定すればいいのかという話ですが,目安としては「成功率が50〜80%くらいの難易度」だそうです。
これは「スイートスポット」と呼ばれています。
成功率が100%のことをやり続けるのではなく,2回に1回は失敗するくらいの難易度設定のものを練習する必要があるとのことです。
練習を重ねていると,最初は難しかったことも簡単になってきますが,そうなるとまた新たなスイートスポットを探す必要があります。
これを繰り返していくことで,とんでもないところに到達するのでしょう。
上手くできたときはその場所をマークする
スイートスポットを練習していると,成功率はそこまで高くはありませんが,完璧にできることもあるでしょう。
完璧にできたら,すぐにまた繰り返すのではなく,いったん立ち止まり,頭の中で再生しなおしましょう。
完璧にできた感覚を振り返り,イメージを作っていくのです。
それができたらそこから5回は繰り返しましょうと書かれています。
反復練習って,とにかく繰り返すというイメージがあるのですが,立ち止まりながらすることが大事なのですね。
まとめ
【SKILL 一流の外科医が実践する修練の法則】は,スキルに関連する本の内容がまとめて書かれていて,読みやすいと感じました。
スキル上達に関する本はまず【SKILL 一流の外科医が実践する修練の法則】を読んでみて,中で紹介されている本に興味があればまたどんどん深堀してけばいいかなと思います。
練習というものの価値観が一気に変わりますし,このとおりにすれば上達が楽しくなるのではないでしょうか。