ダニエル・コイル【天才はディープ・プラクティスと1万時間の法則でつくられる】要約レビュー

心理学
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  • スポーツの練習をやっているけどなかなか上達しない。
  • あとから始めた人のほうが自分よりも上手くなっている。
  • 誰よりも早く上達する方法を知りたい。

音楽やスポーツをやっていたら避けては通れない「練習」。部活とかやっていると顧問の先生から「しっかり練習しろ」とは言われますが、よく考えたら「どうやって練習すればいいのか」ということを教えてもらった記憶がありません。

根性論で「とにかく量をこなせ」という時代に生きてきたので、長時間練習することしか方法を知りませんが、自分よりもあとから始めた人でも自分よりも上手くなる人がいて不思議に思いました。

じゃあ練習って時間だけじゃなくて、何か良い方法があるんじゃないかという疑問がずっとありましたが、その答えを知ることもなく大人になってしまいました。

今回紹介するのはダニエル・コイル著【天才はディープ・プラクティスと1万時間の法則でつくられる】です。

【天才はディープ・プラクティスと1万時間の法則でつくられる】の主張は、「正しい練習をしっかりやれば天才になれる」というものです。

今までの僕には「正しい練習」というピースが足りなかったわけです。【天才はディープ・プラクティスと1万時間の法則でつくられる】を読めば正しい練習というのがわかります。

この記事では【天才はディープ・プラクティスと1万時間の法則でつくられる】を要約し、気になったところを解説していきます。

本を読んで得た知識を僕なりにかみ砕いたり、すでに持っている知識と混ぜたりしているので、必ずしも本書と同じ内容ではない場合もあります。

スキルアップする原理

【天才はディープ・プラクティスと1万時間の法則でつくられる】を読んで一番衝撃的だったのは、スキルアップするときに、人間の脳内で何が起こっているのかということです。

人間は行動にしろ、思考にしろ、すべて脳の電気信号によって起こります。これが速ければ速いほど優れいているのですが、練習することによってニューロンの回路を覆う絶縁体が作られるそうです。

インターネットは光ファイバという伝送路に光信号が流れることで、世界中でインターネットが使えます。この伝送路は普通、周りをシリコンやナイロン、樹脂でコーティングされていますが、これが脳内でも起こっているのです。

この絶縁体のことを「ミエリン(髄鞘)」と言います。ミエリンが作られることで脳の電気信号は速くなり、スキルが上達するのです。

このミエリンは何回も電気信号が送られること=反復することで作られていくので、僕たちが練習するときには丁寧な練習をしないと間違った回路にミエリンが作られてしまうことがわかります。

ミスに着目し、ミスを修正する

【天才はディープ・プラクティスと1万時間の法則でつくられる】の序章に「一ヶ月分の練習を六分でやり遂げた少女」という話があったのですが、これもおもしろかったです。ここだけでも何回も読み返してるくらいです。

例えば何かの曲をピアノで弾こうとするとき、とりあえず全部弾いてみるという練習をする人が多いでしょう。しかし、これは練習効果としてはイマイチだと書かれています。

非常に効果がある練習は「ミスに着目し、ミスを修正する」ことが必要です。「上手く弾けない箇所がある」ということをまずは認識し、そこだけをスムーズに弾けるようになるまで練習する、みたいな練習が良い練習とされています。

これをやると自然と時間がかかります。これが練習量の正体なのです。なんとなく100回弾いたら練習量が多いのではなく、ミスに着目し、ミスを修正するという地道で時間がかかる練習をしているといつの間にか時間がかかっているというのが正しいです。

これを知ると、今まで信じていた「練習」という概念が崩れ去ります。ですが、だからこそ周りと差をつけることができるのです。

チャンク化を行う

「チャンク化」はエキスパートの研究を見てみると必ず出てくる言葉です。「チャンク」というのは「かたまり」という意味で、「小さなかたまりに分解すること」を言います。

例えばある音楽学校では、何ページもある楽譜を一段ずつ切り離し、そこだけを練習するということをやるそうです。こうすることにより、大量の楽譜の中から見落とされがちな細かいところにも気を配って練習することができます。

楽譜全体を一気に練習し、素人が聞けば問題ないくらいのレベルに達することは可能ですが、おそらくプロが聞けば「甘い箇所」というのが出てくるのでしょう。そういうなんとなく練習していると気づかず素通りしてしまう箇所をチャンク化によりしっかりと練習することができるのです。

一見、めんどくさそうですけど、小さなかたまりに分解できるということは、順序を変えるとまた新しいものが生まれるということで、非常に応用が効く練習法でもあります。絶対に取り入れるべきですよね。

まとめ

天才はディープ・プラクティスと1万時間の法則でつくられる】の主張は、「正しい練習をしっかりやれば天才になれる」というものです。

スポーツや音楽をやっている人はぜひ読んで欲しい本ですし、この考え方は勉強や仕事にも使うことができます。「上達するというのはどういうことか」ということを早いうちに知っておけば、それからの人生はイージーモードになるのは間違いありません。

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